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黒岩泰株式アナリスト

山一証券、フィスコなどを経て、2009年4月に独立。独自理論である「窓・壁・軸理論」をもとに投資家に、株式・先物・オプションの助言を行う。著書に「究極のテクニカル分析」「黒岩流~窓・壁・軸理論」など。

鳴り物入りで2024年スタート「新NISA」の落とし穴…一歩間違えば“もろ刃の剣”に

公開日: 更新日:

「破産しました……」

 昨年、お笑いトリオ・インスタントジョンソンのじゃいさんが悲惨な現実に直面した。競馬で大勝ちしてしまったのだ。

「勝ったはずなのになぜ?」

 それはハズレ馬券を経費に含めることができなかったからである。的中が1億5000万円に対して、ハズレが1億円。実質の儲けは5000万円だった。しかし、税金は“的中馬券”にだけかかるので、利益はそっくりそのまま税務署に持って行かれた。何と理不尽な!

「そりゃ競馬だからしょうがない。もともとギャンブルだし」

 そう、あしらうのは勝手だ。しかし、これは決して他人事ではない。同じような問題が、われわれの周辺でも起きようとしているからだ。それは来年から始まる「新NISA」である。

■ギャンブル的な要素も…

 もともとNISAは他の商品と損益通算ができない。仮にNISAで損失が出ようとも、他の利益とは相殺できないのだ。プラスの分はきっちり税金を払わされる。その一方で、「利益に対する税金がゼロ」というメリットを生かすには、投資家は「大儲けする」というのが最重要課題となっている。だって、100万円の利益の20%より、1000万円の利益の20%の方が大きいでしょ――節税効果が断然に違うのだ。

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