著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

大正製薬がMBOで非上場化へ…舞台裏では取引金融機関の激しい“つばぜり合い”が

公開日: 更新日:

 大正製薬のメインバンクは三菱UFJ銀行。だが、同行が融資することにはならなかった。決め手となったのは大正製薬のオーナーである上原家と三井住友銀行の「法皇」と呼ばれ、戦後19年間にわたり住友銀行頭取、会長を務めた堀田庄三氏との血脈だった。

 大正製薬HDの筆頭株主は2割近くを持つ上原記念生命科学財団、2位は上原明社長の父親の昭二名誉会長で、上原家で約4割の株式を保有している。この上原家保有分を含めMBOで株式を買い上げるのに、融資を依頼したのが三井住友銀行だった。

「実は明社長の実父は堀田庄三氏だ。堀田氏の次男であった明氏は、大正製薬の昭二氏の養子に入った経緯がある」(メガバンク幹部)とされる。さらに、昭二名誉会長の次女と結婚し、大正製薬の取締役を務めた大平明相談役は、大平正芳元首相の息子。まさに“華麗なる一族”の血脈で結ばれている。

「今回のMBO・非上場化の背景には、上原家の相続問題も影を落としている」(大手証券幹部)との指摘もある。まさに「血は水よりも濃し」ということか。

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