著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

KKR傘下の西友が北海道・九州から事業撤退へ…「西武」と同じ運命をたどるのか?

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 九州地区の事業は中四国などを地盤とするスーパーのイズミに8月売却する。エリア内の店舗数は69店。大半が「サニー」ブランドで展開している食品スーパーで、イズミの熊本県内の子会社が受け皿となる。売却額は非公表だが、九州事業の売上高は969億円、売上総利益は267億円(22年12月期)。買収後のイズミの九州内店舗は8割強増えて153店に拡大する見通しだ。

 西友は堤清二氏(故人)が率いた西武流通グループの中核企業の一つだったが、経営悪化などで02年にウォルマートの傘下入り。ただ再建にてこずり、21年には保有株の85%をKKRと楽天グループに譲渡。23年には楽天が持ち分(20%)を手放して撤収し、現在はKKRがほぼ一手に経営権を握る。23年12月期の売上高は6647億円で前期比5.7%減収。今回の事業譲渡で西友の国内店舗網は2割超減って246店に縮小される。

 待ち受けているのはもう一つのグループ中核・西武百貨店(現そごう・西武)と同様の運命かも知れない。

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