KKR傘下の西友が北海道・九州から事業撤退へ…「西武」と同じ運命をたどるのか?
「解体・切り売りによる『出口戦略』の序章では」。流通業界関係者の間ではこんな見方も飛び交う。
米投資ファンド・KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)傘下の総合スーパー大手、西友が北海道と九州からの事業撤退を決めた。本州に経営資源を集中、「商品供給はじめ物流効率化などを進めて収益基盤の強化につなげるのが狙い」(西友関係者)とされる。背景には運送業界の「2024年問題」もあるという。
ただ西友が札幌市で展開する9店舗はいずれも好立地。九州地区も福岡市の再開発進展や台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出で人口増が見込めるなど事業環境は「悪くない」(地元財界筋)。
米流通最大手・ウォルマートの子会社だった西友株の過半をKKRが取得して約3年。同社の大久保恒夫社長は「新たな分割・売却は考えていない」としているが、投資回収に向けた動きが今後、加速していく可能性は拭えない。
札幌市内の店舗はイオンの上場子会社、イオン北海道に170億円で売却する。9店合わせた売上高は22年12月実績で251億円。イオン北海道の5月定時株主総会で承認を受けた後、10月メドに譲渡を完了させる。
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