REIT(不動産投資信託)に高利回りと価格上昇の期待 NAV倍率1倍以下で割安感を評価

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 ただし、注意しなければならない点もある。高配当株と比較して、増配や値上がりの期待が低いことだ。

 最近は株主還元に力を入れる企業が増え、連続増配を実施している企業も多い。たとえば高配当株として人気の高い三菱HCキャピタルの株価は21年には約600円で、年間配当は25.5円だった。この時点の配当利回りは4.25%。同社は増配を続けており、25年3月期の配当は40円を予定している。600円で投資した人の配当利回りは6.7%となる。

 リートはこうしたメリットが少ないため、高配当株と併せて持つのがいいと思われる。

 ただ、ここにきてリートの価格上昇が期待できる出来事があった。海外ファンドの動きだ。

 シンガポール系の投資ファンドが「NTT都市開発リート投資法人」の公開買い付けを公表し、1日で約8%上昇した。NAV倍率が低く、割安感が高いことが評価されたといわれている。

 NAV倍率とは株式におけるPBRに似たもので、1倍を下回ると割安と判断される。現在、ほとんどのリートのNAV倍率が1倍を下回っており、これを機に海外投資家の目が向く可能性がある。

(ジャーナリスト・向山勇)

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