著者のコラム一覧
中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

人為的な株高で景気は良くなる? 買っているのは個人投資家ではなく事業法人が中心

公開日: 更新日:

 こうした企業は中小、下請けに多く、今冬のボーナスは、夏に比べて減額となろう。

 景気を測る株価はどうか。日経平均は史上最高値圏で推移している。東証の投資主体別売買動向を見ると、個人投資家は5月、6月、7月、8月(第3週まで)と売り越し。順に、1兆1194億円、6665億円、1兆4083億円、1兆5532億円だった。

 一方、買っているのは自社株買いなどに動く事業法人だ。同じく1兆4809億円、1兆72億円、1兆710億円、6645億円と買い越している。

 史上最高値の立役者は、東証が事業法人に呼びかけた「株価」を意識した経営。すなわち「自社株買い」の結果であり、人為的な株高で「相場観」ではない。これで景気の先行きが良いと判断できるのだろうか。

 24年の経済協力開発機構(OECD)のデータでは、購買力平価を考慮したドルベースの日本の実質賃金は5万ドル程度で横ばい。米国の8万3000ドルとは大差である。

 トランプ政権は相互関税に続いて、半導体や医薬品などの関税も引き上げるとみられる。9月は多くの上場企業の中間決算期であり、突然の石破総理の辞任表明もあった。慎重に見極めたい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  5. 5

    オリックスまさかのドラフト戦略 「凶作」の高校生総ざらいで"急がば回れ"

  1. 6

    ヤクルト2位 モイセエフ・ニキータ 《生きていくために日本に来ました》父が明かす壮絶半生

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    “代役”白石聖が窮地を救うか? 期待しかないNHK大河ドラマ『豊臣兄弟』に思わぬ落とし穴

  4. 9

    福山雅治は"フジ不適切会合参加"報道でも紅白で白組大トリの可能性も十分…出場を容認するNHKの思惑

  5. 10

    バスタオル一枚の星野監督は鬼の形相でダッシュ、そのまま俺は飛び蹴りを食らった