川内原発“脱法”再稼働で市民と規制委が繰り広げた大バトル

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 川内原発の再稼働を巡って、原子力規制委員会は九州電力からの老朽化対策を5日、認可された。それに先駆け、「原子力規制を監視する市民の会」などが4日、都内で集会。規制委の職員を2人呼び出し、大バトルを繰り広げていた。

 規制委は原子炉等規制法に基づき、ガイドラインで原発の稼働期間が30年に達する前の老朽化対策を義務付けている。川内原発は既に昨年7月3日に稼働30年を迎えた。それがきょうになって、ようやく認可されるというのだから、1年以上“脱法”状態だったワケだ。この点を追及された職員は「ガイドラインはあくまでも目安。法には抵触していない」と“珍”解答。老朽箇所の総数と程度を問われると、「把握していない」と無責任発言も飛び出した。

 これに市民側は大激怒。「説明になってない!」「把握してないのに認可するのか!」「事故が起きてからでは遅い!」と、怒号が飛び交った。

 国際環境NGO「FoE Japan」の満田夏花氏は、集会終了後にこう言った。

「規制委の審査は『世界で最も厳しい水準』には程遠い。本来、再稼働にブレーキをかけ、慎重に審査しなければならない立場にあるはずです。九電の“意向”を丸のみしているようにしか見えません。規制委とは名ばかりで、旧原子力安全・保安院の方がまだ厳しい審査をしていたと思います」

 川内原発は11日にも再稼働される方針だ。規制委は国民の声を聞かず、電力会社に歩調を合わせようというのだから、許し難い。

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