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高橋乗宣
著者のコラム一覧
高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

G7のテーマに「世界経済」を掲げる愚

グローバル時代に通用しない概念

 伊勢志摩サミットの開催まで、いよいよ1カ月を切り、安倍首相はますます大ハリキリ。来る大型連休には、熊本地震を受けて、日程を短縮させたものの、1週間かけて欧州を歴訪する。

 G7であるイタリア、フランス、ドイツ、英国を訪れるほか、6日にはサミットを締め出されたロシアにも訪問。自らが議長として臨むサミットの事前調整に余念がない。

 首相は「世界経済」をサミットの最大テーマと位置付ける。各国トップに財政出動を促す方針のようだが、むなしい結果に終わるに違いない。そもそも、このグローバル時代に「世界経済」なる概念は、もはや通用しない。

 ヒト・モノ・カネが国境を飛び越えて、自由に行き来する時代の当然の帰結とはいえ、すでに国家権力では世界規模の経済の流れは統御できない。世界経済に対処し得る「世界権力」を、今の世を生きる我々は持ち合わせていないのだ。

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