加計問題で閉会中審査 前川前次官「歪められた行政」暴露
加計学園の獣医学部新設をめぐる問題で、前川喜平前文科事務次官が初めて国会の議論の場に立った。加計学園ありきで「不公平」「不透明」に行政が歪められた事実を告発。「背景に官邸の動きがあった」と、政権中枢の関与を明言した。
10日午前の衆院の閉会中審査は、文科委員会と内閣委員会の連合審査会として、第1委員室で行われた。参考人として呼ばれたのは前川氏と国家戦略特区諮問会議ワーキンググループ(WG)委員の原英史氏の2人。前川氏は開始予定時刻の午前9時には入室、官僚時代何度も答弁に立った委員会だけに、落ち着いた様子だった。
ところが、審議は冒頭から不穏な空気に。いったん、委員長や質問者が席に着いたものの、再び、委員長以下メンバーが離席。民進党議員が質疑の際に掲示するパネルと配布する資料の取り扱いを巡ってモメ、理事会で協議となったためだ。結局、審議は26分遅れで始まった。
最初の質問者の民進党・福島伸享議員はまず、安倍首相の不在を糾弾。九州豪雨が激甚災害指定となりそうなほどの甚大な被害をもたらしている状況下で、「G20は終了したのになぜすぐに欧州歴訪から帰国しないのか」と追及した。安倍首相はエストニア訪問だけキャンセルして帰国を11日に1日早めたが、福島議員は「まさかこの委員会に出席したくないから帰国しないのか」と疑問を投げかけ批判、安倍首相と昭恵夫人出席の集中審議の開催を求めた。