米軍特殊作戦機が空自救難ヘリに給油 防衛省訓練公表せず
米空軍嘉手納基地(沖縄県)所属の特殊作戦機が航空自衛隊の救難ヘリコプターに空中給油を行う日米共同訓練を6月、日本海などで実施していたことが分かった。災害時の対処だけでなく、米側は有事に負傷した米兵を日米が連携して救出する事態も見据え訓練した可能性がある。防衛省は訓練を公表していない。
在日米軍などによると、訓練は6月12日から同21日まで実施された。日本側からは浜松、小松両基地の救難ヘリコプターが参加。米側からは特殊部隊を敵地に潜入させたり、捜索救助活動の任務に就いたりする嘉手納基地所属の米空軍第353特殊作戦群の輸送機「MC130コンバット・タロン」などが参加した。
日本海や太平洋上で合流し、特殊作戦機から空自救難ヘリに空中給油する訓練が行われた。夜間、暗視ゴーグルを使った難易度が高い給油訓練も実施された。
安保法制で、北朝鮮有事など日本の平和と安全に重要な影響を与える「重要影響事態」と認定されると、地理的制約なく自衛隊による米軍など他国軍の後方支援や、戦闘参加者の捜索救助活動が可能になる。
防衛省は今回の訓練について、「平素より恒常的に実施しているものであり、対外的影響も限定的と考えられ、公表しなかった」などとしている。