日本ハム加藤貴之に“新庄チルドレン長男坊”本領発揮の期待 3年間で9完投、今季も2完投
“チルドレン”と言うには、いささか歳を重ねているが、頼もしい孝行息子には違いない。
1日のオリックス戦でサヨナラ完投負けを喫した、日本ハムの左腕・加藤貴之(33)のことである。八回までは3安打無失点。二塁を踏ませぬ完璧な内容で、今季8勝目を3度目の完投で手にする目前まで行った。
しかし、2-0で迎えた九回に暗転。先頭から3連打で1点を失うと、なおも1死二、三塁のピンチで6番の頓宮にサヨナラ3ランを浴びた。
「新庄監督が就任した2022年以降、チームには万波、清宮、水谷、矢沢、田宮ら20代中盤までの“新庄チルドレン”が次々に誕生し、主力に成長しているが、ベテラン加藤貴の存在も忘れてはいけません。新庄監督1年目にキャリア7年目にして初の防御率2点台をマークすると、そこから3年連続で2点台。今季もここまで2.70と安定感抜群です。規定投球回は4年連続でクリアし、21年までプロ6年間で1回だった完投数も、新庄政権では3年間で9。
今季も2完投を記録している。新庄監督はこの日、九回にピンチを招きながらも、加藤貴を交代する素ぶりも見せなかった。信頼感の表われでしょう。積極的に血の入れ替え、世代交代を図る新庄監督のもと、出場機会を減らすベテランが少なくない中で、淡々と仕事をこなす加藤貴は、派手さはないものの、最も新庄監督の方針にフィットしている選手と言っていい」(球団OB)
23年オフには取得した国内FA権の行使がウワサされたものの、「悩みましたけど、やっぱりファイターズでプレーしたいのが一番」と移籍を封印。新たに4年契約を結び、新庄監督の下でリーグ優勝、日本一を目指すことを誓った。今季、その最大のチャンスを逃すわけにはいかない。