溝口敦
著者のコラム一覧
溝口敦ノンフィクション作家、ジャーナリスト

1942年7月5日生まれ。早大政経卒 徳間書店、博報堂勤務を経て、フリージャーリストに。暴力団や闇の世界に深く食い込んだド迫力ルポには定評がある。『食肉の帝王』で第25回講談社ノンフィクション賞受賞、日本ジャーナリスト会議賞受賞。『暴力団』(2011年)がベストセラーに。

相変わらず活況 大口の密輸事件が相次ぐ日本の覚醒剤市場

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 先日、覚醒剤の販売と所持で前科30犯近くの元ヤクザに出会った。今はヤクザも覚醒剤もやめて真人間だが、現役時代は商売物の覚醒剤をつまんで、彼自身がキメセク(覚醒剤を使ったセックス)にふけっていた。

 ところがその割に、彼からはシャブ中(覚醒剤依存症)じみた態度や雰囲気が感じられない。さんざん人さまに売りさばいてシャブ中を蔓延させた元凶のはずだが、ご当人はなお矍鑠として筆者の質問にもしっかり受け答えができる。

 一体なぜなんですか。面と向かって聞いてみた。と、答えは、「いや、刑務所に入ったり出たりの連続だったから、シャブ中になる暇がなかったんですよ」。

 なるほどと納得した。

 さすがに所内では覚醒剤など薬物は使用・吸引できない。2、3年に1度ぐらいの割合で服役していれば、シャブ中気味になっていても、服役で断薬を余儀なくされ、さほど苦しまずに悪習を断てるということか。悪いやつほどよく眠れる例だろう。

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