小林節
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小林節慶応大名誉教授

1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

特権階級化し庶民感覚が欠如…議員の世襲制限は当然だ

公開日:

 国会議員の職務の本質は、本来的に利害の対立と矛盾が存在する全国民の間に国家権力を用いて国家の有限な資源を強制的に配分する作業に参加することである。だから、議員を選出するシステムは全ての国民にとって「公平」であることが求められている(憲法14条、44条)。

 そういう観点から、特に自民党内に多数存在するいわゆる「世襲」議員が法の下の平等に反するのではないか? と問題にされてきた。それに対して、世襲議員にも参政権はある(憲法15条)し、現に選挙で当選し民主的正当性があるとして、「逆差別」であると反発する向きもある。

 しかし、世襲議員が不当な存在であることは明白である。

 まず、選挙とは、事実として、莫大な費用と人力が必要な事業である。だから、志と能力はあっても無名の新人が立候補(人権行使)をしようと考えても、落選した場合の経済的・社会的損失を考えたら、容易に立候補できるものではない。その点、世襲議員は、いわゆる「地盤」(集票組織)、「看板」(知名度)、「鞄」(選挙資金)が先祖伝来で揃っており、ほぼ確実に当選できる上に、落選しても生活は守られている。だから、世襲議員は、大きな権力を共有する地位を容易に入手・維持できる特権的な立場にある。つまり、憲法が禁じる「門地」(家柄)による差別(14条、44条)である。

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