石破氏の「公平な行政」パクリ…安倍首相の姑息な争点潰し

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「行政を公平につかさどる。これは首相として当たり前の責務だ」

 耳を疑うが、これは安倍首相の言葉だ。12日に地元の山口・下関市で講演を行った際、自身の政治姿勢について、こう話した。9月の自民党総裁選に立候補表明した石破元幹事長が掲げる「正直・公正な政治」をさっそくパクリ始めたのだ。

 安倍首相が争点潰しの抱きつき作戦に出るのは初めてではない。昨年の解散・総選挙でも、当時の民進党が主張していた教育無償化や税の配分を社会保障に傾斜する方針を“いいとこ取り”して、選挙の争点を潰しにかかった。

 今回も、石破氏が10日の出馬会見で「正直で公正、丁寧で謙虚な政治」を訴え、「嘘つきでえこひいき」と批判される安倍政治との対比を鮮明にした途端、「公平な行政」とか言い出した。まるで脱税の常習犯が国民に納税義務を訴えるようなものだが、総裁選の論点から「歪んだ行政」を外すため、なりふり構わずパクリにかかる。

 12日の下関講演で、いきなり秋の臨時国会に自民党の改憲案を提示する方針を打ち出したのも、石破潰しの一環だ。つい最近まで、「改憲はスケジュールありきではない」と言っていたのに、急に前のめり。「総裁選が党員の間で(改憲の)議論を深め、一致団結して前に進むきっかけとなることを期待している」と発言したのも、当然、石破氏を意識してのことだ。

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