崩れた圧勝皮算用 安倍3選という「終わりの始まり」<上>
石破大善戦でレームダック化は加速する
「圧勝」の皮算用が狂ったことで、この先、安倍政権の求心力は間違いなく落ちていくだろう。
安倍は議員票と党員票ともに圧勝して、「石破をぶっ潰す」つもりだった。しかし、石破は大善戦し、ポスト安倍の“次の目”を残した。安倍陣営からも「もはや石破派を干すことはできない」との声が漏れてくる。来月1日にも行われる見通しの党役員・閣僚人事では、当初、安倍はこれまで通り“お友達人事”を断行するつもりだったが、そうはいかなくなってきた。
安倍は総裁選の地方回りなどで、「私にとって最後の総裁選」と繰り返し言ってきた。3選で終わりということは、この先は下降線をたどるしかない。
想像以上に安倍が党員に人気がないことが分かり、我が身かわいさで安倍支持に流れた国会議員の“安倍離れ”も加速する。安倍シンパだって、どうなるか分からない。
「政権を支える麻生副総理、菅官房長官、二階幹事長の3人も、安倍首相との距離がこれまでとは変わってくる可能性があります。『ポスト安倍』のキングメーカーとして、次の展開を考えて動くことになるでしょう」(鈴木哲夫氏=前出)
臨時国会が始まれば、再び安倍はモリカケ問題で野党に攻め込まれることになる。頼みの外交でも米ロと隙間風が吹き始めた。
「安倍首相は3選を果たした20日がピークでしょう。山高ければ、谷深しです。落ち始めると早い。まず最初の試練は、今月30日投開票の沖縄県知事選。これで自公候補が負けると安倍政権には大打撃でしょう。来年の統一地方選、そして参院選がトドメになるのではないか」(野上忠興氏=前出)
いよいよ安倍は追い込まれて行く。
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