任期中改憲に固執 安倍首相が五輪後狙う“何でもアリ強行”
「国会議員がしっかりと議論していく。国民への責任を果たそうではありませんか」――。4日の所信表明演説で野党に憲法論議を呼びかけ、演説を締めくくった安倍首相。自民党総裁任期満了まで残り2年を切り、唯一、残されたレガシーづくりに躍起だが、改憲への道のりは日程的に厳しい。打破する手段は乱暴な審議と強行採決ラッシュ。丁寧な議論が求められる改憲でも、この人物ならやりかねない。
自民党が安倍首相の残り任期から逆算し、想定するスケジュールは、今国会で国民投票法改正案を成立させ、来年1月召集の通常国会で改憲原案の議論に入るというもの。とはいえ、一概に改憲論議といっても国民投票に至るには別表の通り、国会内外でこれだけの手続きを踏む必要がある。
自民党が7月の参院選で打ち出した憲法9条への自衛隊明記や緊急事態条項など改憲4項目は、あくまで改正条文のイメージ案。単なる「たたき台」に過ぎない。つまり現状では、改憲への道のりのスタート地点にも立っていないのだ。
自民党が改憲論議の前提と位置づける国民投票法改正案の審議は暗礁に乗り上げ、立憲民主党など主要野党は改憲論議に応じる気配はない。