著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

全共闘運動が学生の怒りから始まったのは当然の現象だった

公開日: 更新日:
決起集会後、日大の法・経済両学部奪還に向かった日大全共闘の学生たちを逮捕する機動隊員(1969年2月3日、東京・神田の主婦の友会館前)/(C)共同通信社

 ベビーブーム世代が青年期、壮年期、そして高齢期を迎えて行く時、彼らの世代体験は常に有史以来の初体験という言葉で語られた。それまで1年に200万人余の同年代が存在することはあり得なかったからだ。もっと分かりやすく言えば、従来の器の中に彼らは入りきれなかったのである。

 こう…

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