興味深い共産党の挑戦 資本主義が高度化する中で綱領改定
共産主義が正しくないという批判にもきちんと答えている。まず、グローバル化した資本主義こそ、貧富の格差と環境の悪化を招いている。それに対して、かつて後進資本主義国で共産主義革命を試みた先例は、人権意識の未確立な時代に小さな資源を管理した官僚による独裁を招いてしまったが、人権意識の確立した豊かな資本主義国では、むしろ共産主義は資本の横暴による不幸を招かない可能性があると指摘している。
そして、日本の現状として、①対米従属と②財界優先の政治を、見据えている。日本自体が米国の世界戦略に組み込まれている。米軍は日本の法令を無視して行動し、武器を爆買いさせられ、農産物市場も開放させられ食の安全まで脅かされている。また、政・官・財の癒着の下で、大企業と高額所得者を優遇する税制に加え、庶民には広く消費税が課され、労働法制の改悪と福祉の切り下げで、国民は貧困にあえいでいる。
以上の認識の下に、無限の欲望の凶暴化を止め得ない資本主義が高度化した今日の日本で、共産党は、選挙と議会による共産主義革命にあえて挑戦しようとしている。楽しみである。