コロナ拡大は安倍政権の人災 国立感染研大リストラの大罪
ようやく、安倍政権が重い腰を上げる。ついに4人が重症。新型コロナの感染が加速度的に広がる中、ウイルス検査の態勢強化など緊急対策に乗り出すが、しょせんは付け焼き刃の対応だ。これまで、感染症対策をおろそかにしてヒトやカネをバッサリ削ってきた“人災”のツケが回ってきた。
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現在、ウイルス検査や分析などの対応に追われているのは国立感染症研究所だ。米国では、感染症について「情報収集と発生時の対応」はCDC(疾病予防管理センター)、「研究・開発」はNIH(国立衛生研究所)、「ワクチンの品質評価」はFDA(食品医薬品局)と、3つの機関が分業している。この3つの役割を感染研は一手に担っている。
近年、インフルエンザ、麻疹、風疹、梅毒などの流行が見られ、感染症の脅威は高まっている。しかし、感染研はすさまじい大リストラを食らってきた。
2009年度に61億円あった研究費と経費の合計額は、18年度はなんと41億円。3分の1に当たる20億円も減らされてしまった。研究者も09年の322人から、現在は307人。組織はスカスカにされている。
理由は十把一絡げの国家公務員の削減だ。山野美容芸術短大客員教授の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「感染研が担う役割や仕事量からして、300人余の研究者は極めて少人数です。10年間でさらに人も金も減らしているのは、安倍政権が感染症対策を軽視している表れといえます」