北が欲しがるリストに掲載されたロボット・工作機械の人材
プルトニウム製造係長 竹村達也さん
プルトニウムの技術者である竹村達也と同様、北朝鮮が欲しがる人材が警察の「拉致の可能性を排除できない事案に係る方々」の中にいないか。私はワセダクロニクルのメンバーと共に、リストに掲載された人物をシラミつぶしに調べていった。過去の新聞記事や、失踪者の拉致の可能性を調べている民間団体「特定失踪者問題調査会」の調査結果を、警察のリストに載っている名前と照合した。
すると、大学生や大学院生、国家公務員、自衛隊員などの肩書を持った人たちが出てきた。大学生と大学院生は56人、公務員は動燃の職員だった竹村を含め11人、自衛官は退職者も入れて5人いた。
この中で特に気になったのは2人の人物だ。
■軍事技術に役立つ可能性
1人は横浜市金沢区の河嶋功一。警察のリストでは、失踪当時23歳で無職、身長は167センチくらいだと記して、こう書かれている。
「昭和57(1982)年3月21日、大学卒業に伴う実家(浜松市)への引越のため、自家用車で迎えに来た両親とともに車で実家に戻る予定でしたが、急きょ電車を利用することになったため両親と別れた後、行方不明となっています」