保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

アメリカ軍は1万2000人の兵力でアッツ島に上陸してきた

公開日: 更新日:
アリューシャン列島のキスカ島とともに占領したアッツ島の大雪原を行く日本陸軍歩兵部隊。この後、1943年5月末の米軍による攻撃で島の守備隊が全滅し、初の「玉砕」とされた(C)共同通信社

 太平洋戦争の3年8カ月の間を戦闘の変化に合わせて区分すると、連合艦隊司令長官の山本五十六が亡くなってからおよそ9カ月後の昭和19年1月から2月ごろまでを、私は第3期の「崩壊」の時期というべきだと思う。この時期は日本に戦勝の機会がないどころか、戦争継続さえも危ぶまれる状況だったの…

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