販売会社も困惑…吉村府知事“うがい薬発言”が生んだ大混乱
「ウソみたいな本当の話」――。市販のうがい薬を目の前にズラリと並べ、こう話した吉村洋文大阪府知事は“ドヤ顔”だった。4日、会見で吉村知事はポビドンヨード(商品名・イソジンなど)が含まれたうがい薬を使うことで、コロナの重症化などを防げると発言。「コロナに打ち勝てるんじゃないか」と話す様子が民放で生中継されると、日本中で“うがい薬ショック”が発生した。
吉村知事の会見後、日刊ゲンダイが都内4カ所のドラッグストアに行ってみると、うがい薬は軒並み売り切れだった。ある店舗の店員は、「午前中は在庫があったんですけど、会見後、多くのお客さまが手に取り、売り切れてしまいました」と困惑の表情を浮かべた。
オークションサイト「メルカリ」では、うがい薬が大量出品され、通常500~1000円のうがい薬が、数千円の値をつけるほどの“バブル”状態に。
うがい薬を生産する明治HDの株価も爆上げで年初来高値を更新。販売会社の「株式会社 明治」の広報担当者は、日刊ゲンダイの取材に「府の発表は興味深い内容だと思います。しかし、我々は実証実験などをしておらず、新型コロナに効くのか、効果について評価することはできません」と、やはり困惑気味だ。
吉村知事は会見で「買い占めしないように」と呼びかけたが、効果はゼロ。うがい薬は街から消えてしまった。