<3>CMはバイデン8万本vsトランプ3万本 資金力勝負はいかに
投票日(11月3日)まで2週間を切った。トランプ・バイデン両氏は激戦州を飛び回って「最後のお願い」に多忙な日々を送る。日本のメディアも両氏の遊説を紹介しているが、実は残り2週間の時点で、勝負はすでについていると思われる。ただ結果が出ていないだけである。
というのも、9割の有権者はすでにどちらに投票するかを決めているためだ。両陣営は今、態度を決めかねている約1500万人の有権者を獲得するために奔走している。
選挙終盤で重視されるのがテレビを使った選挙CMである。激戦州でのCMの打ち合いは熾烈を極めているのが現実だ。ネットの時代であっても、特にフロリダ州、ペンシルベニア州、アリゾナ州の3州では古典的なCM合戦が繰り広げられている。
いくつかのCMを見ると、バイデン氏はトランプ氏のコロナ対応の悪さを責めているだけでなく、トランプ政権が続く限り社会保障制度と高齢者向けの医療保険制度が危機に瀕すると訴えている。一方のトランプ氏は、バイデン氏を「急進左派の操り人形」であると指弾し、コロナ禍による経済回復を自分の手柄であるとしている。さらにバイデン政権が誕生した時には憲法修正第2条で保障された銃の所有が脅かされるばかりか、増税されると訴える。