冨田宏治
著者のコラム一覧
冨田宏治関西学院大学法学部教授

1959年、名古屋市生まれ。名古屋大法学部卒。名古屋大法学部助手、関西学院大法学部専任講師、助教授を経て99年から現職。専門は日本政治思想史。原水爆禁止世界大会起草委員長も務める。「核兵器禁止条約の意義と課題」など著書多数。「維新政治の本質」を22年3月に上梓。共著に「今よみがえる丸山眞男」「自公の罪 維新の毒」など。

(1)「維新という妖怪の」正体は格差を分断に転化し、さらに組織化に成功したこと

公開日: 更新日:

 昨年10月の衆院選で日本維新の会とその中核を担う大阪維新の会(以下、維新と略す)は、前回総選挙の11議席から41議席へと“躍進”し、一躍全国からの注目を集めている。10年以上にわたって大阪の地方政治を牛耳り、橋下徹氏というタレント政治家に率いられた、ある種キワモノ的な政治勢力というイメージの強い維新ではあるが、その“ひとり勝ち”とも言えそうな“躍進”に「維新って何者?」「なぜ、そんなに強かったの?」という疑問が湧き起こったのも不思議ではない。

 維新の本拠地たる大阪ではいざ知らず、お隣の京都や神戸ですら、大方の人びとにとって維新は未知なる存在だ。それどころか、「貧困と格差に喘ぎ、現状打破を求める若年貧困層の支持を集めている」などという都市伝説めいた謬説がまことしやかに流布されている。マルクス・エンゲルスの「共産党宣言」ではないが、「一匹の妖怪が大阪を歩き回っている─維新という妖怪が」といったところだ。

 3年ほど前に発表した「維新政治の本質─その支持層についての一考察─」(「住民と自治」667号=自治体問題研究所)という論考がにわかに注目を浴び、本紙の「注目の人直撃インタビュー」(2021年12月3日付)に取り上げていただくことともなったのだが、筆者はこの間、この「維新という妖怪」の正体を見極めようと努めてきた。その成果は、「維新政治の本質─組織化されたポピュリズムの虚像と実像」(あけび書房=3月3日刊行予定)という近刊にまとめたところでもある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の政治・社会記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷翔平が2年連続「球宴先発投手」に急浮上! 投票選出エース級が続々登板回避の可能性

    大谷翔平が2年連続「球宴先発投手」に急浮上! 投票選出エース級が続々登板回避の可能性

  2. 2
    “愛妻家”菅田将暉「5カ月俳優休業」の真相は…妻・小松菜奈との新婚生活満喫のため?

    “愛妻家”菅田将暉「5カ月俳優休業」の真相は…妻・小松菜奈との新婚生活満喫のため?

  3. 3
    KDDI通信障害「補償額」どれだけ巨額に? 一般利用者には400円分のポイント付与か

    KDDI通信障害「補償額」どれだけ巨額に? 一般利用者には400円分のポイント付与か

  4. 4
    生稲晃子氏に今度は“パクリ疑惑”が! 候補者アンケートの回答が朝日健太郎氏と丸かぶり

    生稲晃子氏に今度は“パクリ疑惑”が! 候補者アンケートの回答が朝日健太郎氏と丸かぶり

  5. 5
    「名門女子大」人気凋落のナゼ…新5000円札の“顔”津田梅子もビックリ?

    「名門女子大」人気凋落のナゼ…新5000円札の“顔”津田梅子もビックリ?

  1. 6
    飯島直子の“54歳の現在”に…「全然劣化してなくて感動した」とネットが大騒ぎ

    飯島直子の“54歳の現在”に…「全然劣化してなくて感動した」とネットが大騒ぎ

  2. 7
    間違いだらけのエアコン節電…微風or自動どっちがエコ? 除湿と冷房で除湿量が多いのは?

    間違いだらけのエアコン節電…微風or自動どっちがエコ? 除湿と冷房で除湿量が多いのは?

  3. 8
    常識が通じないモンスター住民も「大家さん」と聞いて“青菜に塩”状態に

    常識が通じないモンスター住民も「大家さん」と聞いて“青菜に塩”状態に

  4. 9
    女優・沢田雅美さん「渡鬼」降板報道の真相で「本が一冊書けてしまうかな(笑)」

    女優・沢田雅美さん「渡鬼」降板報道の真相で「本が一冊書けてしまうかな(笑)」

  5. 10
    生稲晃子氏が「同性婚反対」で再び炎上…「自分らしく生きられる国へ」の主張に矛盾

    生稲晃子氏が「同性婚反対」で再び炎上…「自分らしく生きられる国へ」の主張に矛盾