保阪正康
著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

軍事内閣が厭戦気分を抑えつけたこと国民が屈折し、幽霊話が生まれた

公開日: 更新日:
1942年8月から翌年2月にかけて、ソロモン諸島ガダルカナル島で日米両軍の大規模な戦闘が行われ、約3万人の日本兵が同島に上陸したが、それによる死者・行方不明者は2万人強を数えた(C)共同通信社

 太平洋戦争下の日本社会は、いかなる空気が支配していたのだろうか。あるいは庶民はどのような考えのもとで日々を過ごしていたのだろうか。そのような研究、分析はそれほど熱心に行われていたわけではない。今に至るも庶民の本音が織りなす感情の研究が行われた節はない。ひたすら国家総力戦に協力し…

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