石破自民に分断の危機…トランプ関税“交渉カード”に「コメ」浮上で農水族vs商工族のバトル勃発も

公開日: 更新日:

 石破首相は週末もトランプ関税への対応に追われた。弾丸訪米から帰国した赤沢経済再生相と19日、首相公邸で会談。林官房長官や関係省庁の事務方も同席して、今後の方針をすり合わせたというが、米国側へ提示する“交渉カード”として浮上しているのがコメの輸入拡大だ。

 赤沢氏とベッセント米財務長官との交渉では、テーブルの上にUSTR(米通商代表部)が今年3月にまとめた「外国貿易障壁報告書」が置かれていた。米政権が問題視する「非関税障壁」のことだ。米側は日本について、農産物と自動車の分野での閉鎖性を指摘しており、中でもコメについては「規制が厳しく不透明で米国の輸出業者の消費者へのアクセスを制限している」と批判している。

 外国からの輸入米については現状、関税のかからないミニマムアクセス(最低輸入量)が年間77万トンあり、それを超える分には1キロあたり341円の関税がかかる。ただ、ミニマムアクセス米のうち主食用は10万トン以下で、多くが飼料用などの非主食用。国内のコメ農家を守るためだが、今は「令和のコメ騒動」だ。コメ不足、コメ高騰が続く中、「だったら、トランプ関税への交渉カードにもなるし、米国からのコメの輸入枠を広げればいいじゃないか」という空気が政府内に出てきているのだ。シンクタンクのエコノミストなどからも同様の提言が散見される。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  1. 6

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  2. 7

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  3. 8

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  4. 9

    参政党議員「初登院」に漂った異様な雰囲気…さや氏「核武装」に対しゼロ回答で現場は大混乱

  5. 10

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  2. 2

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪

  1. 6

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  2. 7

    悠仁さま「9.6成年式」…第1子出産の眞子さん、小室圭さんの里帰りだけでない“秋篠宮家の憂鬱”

  3. 8

    参政党議員「初登院」に漂った異様な雰囲気…さや氏「核武装」に対しゼロ回答で現場は大混乱

  4. 9

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  5. 10

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー