関税交渉の“落とし穴”に…飛び入りトランプ大統領「安保タダ乗り論」展開、日本を脅した本当の狙い

公開日: 更新日:

 想定外の飛び入り参戦で案の定、高関税と安全保障の一体化ディールを持ちかけた。交渉役の赤沢経済再生担当相は言葉を濁したが、17日の日米関税交渉の席で、トランプ米大統領にいわゆる「思いやり予算」の増額を突きつけられたのは確実だ。

 会談直前にトランプは自身のSNSで「軍事的支援の費用」を議題のひとつに挙げ、約50分に及んだ会談で従来からの「安保タダ乗り論」を展開したと報道されている。在日米軍の駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を巡り、米国だけが対日防衛義務を負っているのは「不公平だ」と不満を表明したというのだ。

 第1次政権期からトランプは日本側負担の大幅増額を迫ってきた。駐留経費の特別協定は5年おきに更新。当時の安倍政権は交渉を先延ばしする一方、トランプの言うがままに数千億円単位で米国製兵器を爆買いした。次のバイデン政権下で駐留経費の協定を更新し、年100億円の増額にとどめたものの、22年度以降5年間の負担総額は約1兆円超に上る。

 現行協定の期限は27年3月末、トランプの任期は29年1月まで。次回は先延ばしが困難で、厄介な相手との本格交渉は避けられない。関税交渉との取引に使われるのは目に見えている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理