暴走する進次郎コメ担当大臣ブチ上げ 備蓄米放出「随意契約」は「大混乱生む」と専門家が危惧

公開日: 更新日:

公平さをどう担保するのか

 そんな事情はお構いなしに暴走する進次郎大臣だが、石破首相が表明した「コメ5キロ3000円台の実現」を念頭に「3999円では言ったことをやったとはならないと思う」と、当たり前の感覚を堂々と語るあたり、さすがである。囲み取材で「5キロ2000円台に下がった」と備蓄米放出の効果の例に出した長野県のコメ価格が、実際は「税抜き2990円」だったことは気にならないらしい。

 いくら「コメ担当大臣」を自負したところで、価格が下がらなければ形無しである。随意契約では政府が備蓄米の売り渡し先や価格、量なども任意に決めることが可能。想定される売り渡し先はスーパーなどの小売業者からネットまでと幅広く、きちんと制度設計できるのか。東大大学院教授の鈴木宣弘氏(農業経済学)が言う。

「随意契約なら競争入札よりもスピーディーに店頭へ出せるでしょうし、国が仕入れ値で売り渡せば店頭価格も安くなる可能性はあります。ただ、今まで誰もやってこなかった方法なので、大混乱が生じるでしょう。売り渡し先を決める基準をどうするか。安いコメを買える人、買えない人の不公平が生じないよう、どのように公平さを担保するか。あるいは、限りある在庫をどのように分配するか。解決すべき課題が山積みで、実行に移せるかは疑問です」

 コメ価格が下がっても、消費者の間で不平等が広がっては意味がない。絵に描いた餅で終わらなければいいが、果たして。

  ◇  ◇  ◇

 進次郎農相のコメ高騰対策は「2つの大難題」が…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  2. 2

    だから高市早苗は嫌われる…石破自民に「減税しないのはアホ」と皮肉批判で“後ろから撃つ女”の本領発揮

  3. 3

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  4. 4

    裏金自民が「11議席増」の仰天予想!東京都議選告示まで1カ月、飛び交う“怪情報”の思惑

  5. 5

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ

  1. 6

    トランプ大統領“暗殺”に動き出すのか…米FBI元長官「呼びかけ」の波紋

  2. 7

    候補者調整が終わり、参院選大勝が見えた国民民主党だが…玉木代表が抱えた“爆弾”の正体

  3. 8

    自民にまた「政治とカネ」問題!太田房江氏に選挙買収疑惑、参院選公認めぐり大阪でグチャグチャ泥仕合

  4. 9

    イケイケ国民民主党に陰り? 埼玉・和光市議補選は玉木代表が応援も公認候補まさかの敗北

  5. 10

    国民民主党の凋落にライバル政党ニンマリ…支持率下落、地方選で公認候補が敗北

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ