暴走する進次郎コメ担当大臣ブチ上げ 備蓄米放出「随意契約」は「大混乱生む」と専門家が危惧
公平さをどう担保するのか
そんな事情はお構いなしに暴走する進次郎大臣だが、石破首相が表明した「コメ5キロ3000円台の実現」を念頭に「3999円では言ったことをやったとはならないと思う」と、当たり前の感覚を堂々と語るあたり、さすがである。囲み取材で「5キロ2000円台に下がった」と備蓄米放出の効果の例に出した長野県のコメ価格が、実際は「税抜き2990円」だったことは気にならないらしい。
いくら「コメ担当大臣」を自負したところで、価格が下がらなければ形無しである。随意契約では政府が備蓄米の売り渡し先や価格、量なども任意に決めることが可能。想定される売り渡し先はスーパーなどの小売業者からネットまでと幅広く、きちんと制度設計できるのか。東大大学院教授の鈴木宣弘氏(農業経済学)が言う。
「随意契約なら競争入札よりもスピーディーに店頭へ出せるでしょうし、国が仕入れ値で売り渡せば店頭価格も安くなる可能性はあります。ただ、今まで誰もやってこなかった方法なので、大混乱が生じるでしょう。売り渡し先を決める基準をどうするか。安いコメを買える人、買えない人の不公平が生じないよう、どのように公平さを担保するか。あるいは、限りある在庫をどのように分配するか。解決すべき課題が山積みで、実行に移せるかは疑問です」
コメ価格が下がっても、消費者の間で不平等が広がっては意味がない。絵に描いた餅で終わらなければいいが、果たして。
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