焦るトランプ大統領がロシア領攻撃にGOサイン? ウ露会談見通し立たず、プーチンにイライラ
上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)が言う。
「結局のところ、『24時間で戦争を終わらせる』と豪語していたトランプ氏としては、一刻も早く戦争をやめさせて、ウクライナから手を引きたい。ノーベル平和賞も国内の支持も欲しい。しかし、就任から7カ月が過ぎ、プーチン氏と直接会談しても和平への動きはありません。支持者に向けて『頑張るトランプ』を演出しているものの、プーチン氏に足元を見られている状況です」
ロイター通信(21日付)によると、プーチン大統領は米ロ首脳会談で、▽ウクライナ東部ドンバス地方の割譲▽ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟断念と中立化▽西側諸国の軍隊の国外退去──を要求したという。トランプ大統領が攻撃容認をほのめかした背景には、妥協する気のないプーチンへのイラ立ちがありそうだ。
「そもそもロシアが有利に進めている戦争なのに、プーチン氏が簡単に妥協するはずがありません。ウ露首脳会談の可能性について欧州各国の期待感は薄く、トランプ氏は空回りしているように見えます」(前嶋和弘氏)
トランプ大統領は和平実現について「2週間以内」に見通しが分かると説明するが、果たして──。