トランプ政権が公共放送予算を全面カット 民主主義を支える“見えないインフラ”が米国から消える
アメリカの公共放送が危機に瀕している。トランプ政権が政府の助成金の全面カットを決めたからだ。
アメリカには、PBS系テレビ約300局、NPR系ラジオ約1000局の公共放送局がある。政府から独立した放送機構で、その代表的な番組の一つが「セサミストリート」だ。市場では成立しにくい教育や多文化のコンテンツを担ってきた象徴的存在だ。
こうした公共放送の仕組みは日本のNHKとは大きく違う。国からの財源は全体の約2割にとどまり、残りは財団・企業スポンサー、そして視聴者自身の寄付の半々で運営されている。
制度面でも異なる。キー局を持たない地方局の集合体で、コンテンツは中央でなく地方からという仕組みだ。国家やスポンサーに左右されず、市民と地域の利益に奉仕するための、極めて民主主義的なモデルと言える。
その財源に対し、トランプ政権は助成金の事実上の全面カットを決めた。これを受けて、助成金の運用団体であるCPB(アメリカ公共放送社)は先日解散を決議し、1967年の設立以来、公共放送を支えてきた役割に幕を下ろすこととなった。


















