トランプ大統領が煽る証拠なき「選挙危機」は「非常事態」への布石か
では、何のための演説だったのか?
トランプ大統領の支持率が低迷する中、中間選挙で共和党が上下両院の多数派を維持できるかは不透明だ。議会の主導権を失えば、政権のレームダック化は避けられない。
そこで政権は、原則として州が担ってきた選挙管理への介入に踏み切った。身分証明の義務化や郵便投票の制限などは、保守州で導入が進む一方、訴訟による攻防が続いている。
■中間選挙に向けた国家介入はすでに始まった
連邦政府による揺さぶりも強まっている。従わない州への補助金の停止や、選挙担当者への刑事訴追の可能性にまで言及している。
現職大統領が国家機関を動員し、投票前から全国の選挙に介入する。その規模は20年とは桁違いだ。演説は、それを正当化する根拠に使われたと考えていい。
元トランプ政権の法律顧問タイ・コブ氏は、「中間選挙を前に、トランプが非常事態宣言を出すための布石ではないか」と警告した。非常事態を口実に大規模な介入が行われれば、投票や集計は深刻に混乱しかねない。21年1月6日の連邦議会襲撃を経験したアメリカでは、大統領の言葉を単なるたわ言として片づけることはできないのだ。



















