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中村逸郎筑波大名誉教授

ロシア現代政治専攻。学習院大法学部卒、同大大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。政治学博士。

国後島上陸で見た「ロシア支配」の現実…交流船にロシア国旗、埠頭も使えず

公開日: 更新日:

 北方領土には生かし切れていない貴重な資源が眠っている。日本からさまざまな分野のビジネスマンがビザなし交流事業に参加できれば、安倍政権が進める日ロの経済協力は大きく花開く可能性を秘めている。しかし、現実はそんなに甘くない。

 羽田空港から中標津空港に飛び、根室で1泊。7月20日午後、バスで向かった根室港で交流船に乗り、国後島に向かった。緊張が高まる。出港から約1時間10分で日ロの中間線(通過点)を越えた。すると、船首にロシア国旗が掲げられた。目的地の国旗を示す「行先旗」である。ロシアによる国後島の実効支配を認めたも同然の行為だ。これに、「ロシアへ敬意を表するための掲揚」という歯切れの悪い説明をする人がいた。

 中間点から2時間20分。午後8時に国後島の沖合に停泊した。明朝まで船内で過ごすことになった。

 夜が明けた翌朝7時すぎ、国後島からロシア側の小型船が向かってくる。交流船に横付けすると、国境警備隊や税関職員ら総勢4人ほどが乗り込んできた。日本の政府職員と北方領土への「入域手続き」を取り交わすためだった。訪問団員名簿に記載された氏名と顔写真をもとに、双方が1人ずつ本人確認。ロシア船に乗り移り、およそ10分で国後島の埠頭に着いた。

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