日ハム吉川 栗山監督の「開幕投手」指名で“慢心”の懸念
昨季最下位に沈み、チームトップタイの9勝を挙げたウルフ(現ソフトバンク)まで流出した日本ハム。先発ローテは崩壊し、立て直しが急務となっている。
そんな中、ひとりのんびりしているのが、栗山監督から開幕投手に指名された吉川光夫(25)だ。直近の登板となった27日の韓国LG戦で、2本塁打を浴びるなど3回4安打3失点。それでも本人は「不安はない」と平然。
「真っすぐとカーブしか投げなかった。次の試合からは全部の球種を投げようと思っている。開幕までどんな調整をするか? いや、しっかり投げることが大事なんで。ひとつひとつ、精度を上げていきます」
もちろん、吉川だってチームが置かれた状況は分かっているだろう。この時期の結果はさほど重要ではない。気になるのが、気持ちの面だ。
先発の駒が足りないところに、指揮官から「吉川が軸にならないと優勝はありえない」と信頼を寄せられれば、危機感とは無縁の吉川に出てくるのは甘え。実績と呼べる実績は14勝5敗、リーグトップの防御率1.71に輝いた12年のみ。まだまだ「一発屋」の域を出ていない。本来は目の色を変えて先発争いをする立場なのに、開幕投手に指名されたばかりに、まるでこの道10年のベテランのような話しぶりになったとすれば、本人のためにならない。