今度は右ひじ…中日・浅尾を壊した日本球界の“悪しき体質”

公開日: 更新日:

「酷使による故障は自分ひとりではコントロールできない。プロの投手たるもの、調子がいい時は何試合でも連投できると思うし、少しくらいの痛みなら無理をしても投げる。『痛いのか』と聞かれても、『大丈夫です』と答えます。それで故障した後が苦しい。休めば年俸に影響するし、『ゆっくり治せ』と首脳陣に言われても『チームに迷惑をかけられない』と焦る。完治していないのに、無理して投げて再び故障……という悪循環に陥ってしまう。私自身、86年に左肘を故障した時はどうにもならなくて、祈祷(きとう)師のところに行って神頼みをした。肉体的にも精神的にもかなり追い込まれる。これに耐えられるのは、よほどの強靭な体に恵まれるか、堂々と『自分は休む』と言える実績とずぶとい性格を持つごく一握りの選手だけです」

■故障を隠して連投すると「美談」になる

 選手が酷使や痛みを我慢する精神構造になってしまうのは、日本球界やマスコミの体質に大きな問題がある。

「ケガした選手は今後の野球人生を考えれば、しっかり休むことが大事。でも、選手をボロ雑巾のように使っても、『また新しい選手が出てくるからいい』と考えている指導者は今もいる。マスコミ報道にも問題があると思う。故障を隠して連投して抑えると美談仕立てにするが、反対にケガで休んだら批判をしたり、リハビリ期間中は『いつ上がってくるんだ』とせき立てる。大半の選手は常に周囲の顔色をうかがい、精神的に追い詰められていくのです」(福間氏)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー