不正、トミー・ジョン…メジャー投手のひじ蝕む滑る公認球
「投手、特に若い投手がひじを痛めて戦列を離れるケースが多過ぎる。早いうちに手を打たないとMLBの魅力を失いかねない」――。
15日(日本時間16日)に行われたMLBのオーナー会議で、バド・セリグ・コミッショナーが危機感を口にしたという。
今季はひじ痛を訴えて故障者リスト(DL)入りする投手が後を絶たない。今月だけでも昨季のナ・リーグ新人王ホセ・フェルナンデス(マーリンズ)、ダルの同僚で将来を嘱望されたマーティン・ペレス(レンジャーズ)らがトミー・ジョン手術(腱の再建手術)を受けた。
米球界ではアマチュアも含めて投手の肩、ひじの負担を軽減するため、球数を制限するのは常識だ。過保護なほど徹底した管理が行われながら、米国の投手に、ひじの故障が絶えないのは作りが雑で滑りやすいメジャーの公認球も原因の一つといわれている。日本人投手はもちろん、手が大きく指が長い米国の投手ですら操るのに苦労し、相変わらずマツヤニなどの滑り止めを塗る不正投球が横行しているほどだ。 セリグ・コミッショナーは故障防止と不正撲滅につながると判断したのだろう。MLBのメディカルスタッフに公認球と故障の因果関係の調査を指示したという。