本田圭佑「虚像と実像」(13)裏口と揶揄されたヘタクソが…

公開日: 更新日:

「石川の星稜に体が大きくて、個人技がズバぬけているFWがいる」
 本田が高校2年になると、全国のJリーグ関係者にそんな情報が流れるようになった。

 話題の主はガンバ大阪ジュニアユース出身で、「ヘタクソ、裏口から入ったんか?」と揶揄(やゆ)されていた本田。噂を聞きつけたG大阪関係者が耳を疑う。本田と同期でG大阪ユースに昇格した與(あたえ)貴行(現G大阪ジュニアユースコーチ)もそのひとりだった。

「正直に言うと、本田がユースに昇格できなかった後、どこでサッカーをやっているのか、ほとんどの仲間が知らなかった。本人も自分の進路を周囲に話していなかったので。その本田が星稜の中心選手になり、全国大会に出てくるなんて思いもしませんでした。驚きました」

 指導者も目を疑った。
 本田が高校2年で石川県選抜に選ばれ、埼玉国体に出場した。視察に訪れていたG大阪の育成普及部長(現取締役アカデミー本部・強化本部担当)の上野山信行の目に、見覚えのある選手の姿が飛び込んできた。しかし、いくら目を凝らしても脳裏に残る「圭佑」と「星稜の本田」は重ならなかった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘