本田圭佑「虚像と実像」(10)全裸で立ち尽くしたのも束の間…

公開日: 更新日:

仲間との賭けに負け赤っ恥

「おい、見とけよ! 絶対、向こう岸に行って戻ってきたる!」
 服を脱ぎ捨てフルチンになった本田は、G大阪ジュニアユースのチームメートに豪語すると、真っ暗な川面に向かって飛び込んだ。

 息をのむ仲間たち。河口付近の流れは想像以上に速く、本田はすぐに海側に流され始めた。

 慌てふためいたチームメートは、大声で引き返すように叫んだ。仲間たちの手を借りて何とか岸に上がった本田。羞恥心と屈辱感で顔を伏せ、スッポンポンのまま立ち尽くす。しかし、殊勝な態度は一瞬だけ。胸を張り、堂々とこう言い放った。

「今日はちょっと暗かったし、向こう側が見えんかったからな。距離がつかめんかったし、意外と川の流れも速かった。まぁ、周りが明るかったら間違いなく出来ていたはずやけどな」

 一部始終を目撃していた與(あたえ)貴行(現G大阪ジュニアユースコーチ)が振り返る。

「1万円欲しさもあったでしょうが、本当は《いかに自分が強い人間なのか》を示したかったと思います。あの頃、本田はあまり試合に出られなかった。2年までBチームでしたからね。家長や他の主力にプレーで圧倒され、ムチャして『どんなモンや!』と目立ちたかったのでしょう。負けん気が強く、失敗しても絶対に弱音は吐かない。今も昔も同じ。あの頃、そんな本田を見て、僕たちはただ呆れるしかなかったんですけどね(笑い)」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発