本田圭佑「虚像と実像」(11)中学時代に受けた“クビ通告”

公開日: 更新日:

 どのJクラブでも、ジュニアユースからプロ予備軍に当たる高校生年代の「ユース」に昇格できるのは、狭き門を突破した一部選手だけ。本田もガンバ大阪ユースへの自動昇格を狙っていた。しかし、中学3年間、サブに甘んじていた本田に声は掛からなかった。

 G大阪の元育成普及部長・上野山信行(現アカデミー本部・強化本部担当顧問)は、少しだけ渋い表情を浮かべながら当時の経緯を説明した。

「技術、メンタル、戦術は合格点だった。ジュニアユースに入れた時点では、『もしかしたら伸びるかな?』と可能性は感じていました。でも、ユースに昇格したとして3年後のプロ契約を見据えた場合、やはり圭佑のフィジカル、スピードでは厳しいと判断しました。そもそも、我々が《パス&ゴー》を要求しても、ピッチ上でやろうとしなかった。それなら、ガンバよりも圭佑自身を生かせるステージでやった方がいい。そういう判断に至ったというわけです」

 中学3年の蒸し暑い夏の日だった。ジュニアユース監督の島田貴裕(現G大阪アカデミー本部・スクールマスター)は、クラブハウスの一室に本田を呼び出し、面と向き合い座った。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」