PRP療法の専門家指摘 「田中投手は完治したわけではない」

公開日: 更新日:

「そもそもPRPは組織の治癒力を促すもので、接着剤や魔法の薬ではありません。PRPの製法にしても米国では約70種類あり、血小板から取り出す成長因子の濃度は適量が判明しているわけでもないのです。まだまだ基礎研究の途中段階にありますが、肘の靭帯損傷に対する有効性を示す論文も発表されています。しかしPRP療法を施したからといって、極端にリハビリが短くなったり、完治するとは限らないのです」

■「再発したら手術

 田中は27日(日本時間28日)のレッドソックス戦で今季最後のマウンドに上がる。必要があると判断されればタンパで追試のキャンプをやるともいわれるが、来季は完全復活できるのか。

「一度、痛めた箇所を治療しても故障する前と同じ状態に戻ることはありません。痛みが引いたからといって、田中投手の靱帯が以前よりも強度が増すはずはないのです。痛めた原因が投げ方にあるのか、投げ過ぎによるものなのか。その原因となったものを改善しない限り、再発する可能性は否定できません。来季、同じように痛めたら、手術に踏み切ると思われます」(金森医師)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋