PRP療法の専門家指摘 「田中投手は完治したわけではない」

公開日: 更新日:

 今季中の実戦復帰は果たしたが、依然として不安はぬぐい去れない。右肘靭帯を部分断裂したヤンキース田中将大(25)には、今もトミー・ジョン手術(腱の再建手術)の可能性がささやかれているからだ。

 今後の田中について、ジラルディ監督は「もう一度、痛みが出たら手術することになる」と繰り返し、1年以上を棒に振ってでも完治を優先させる方針だという。

 田中がチームドクターの指示で選択したのはPRP(多血小板血漿療法)といわれる再生治療だ。患部の血液を採取し、血小板から取り出した高濃度の成長因子を注射して自然治癒能力を促進させるものだ。

 ここ数年、メジャーでは肘にメスを入れるのを避けるため、トミー・ジョン手術を受ける前に、この治療法を選択するケースが増えているという。

 田中は7月14日にニューヨーク市内でPRP注射をうけた。その後は治療とリハビリの甲斐もあり、順調に回復。約2カ月で戦列復帰を果たしたが、それでもまだ肘は万全とはいえないのか。

「メジャーのマウンドに復帰したわけですから、患部が治って痛みはないと見るのが一般的でしょう」とPRP療法に詳しい筑波大学医学医療系(整形外科)スポーツ医学講師の金森章浩医師がこう続ける。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋