<第21回>「流しているようで速い。あんな走り見たことない」

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 その瞬間、大谷の水沢南中3年時の担任だった太田和成(38)は仰天した。

 運動会のクラス対抗選抜リレー。1~3年生の、足の速い生徒を集めてクラス単位の順位を争う。3年7組の大谷は1年7組、2年7組と同じチーム。7組代表としてリレーに参加した。

 他の代表がいまひとつでチームとしての順位はふるわなかったものの、そのときの大谷の走りはいまでも脳裏に焼き付いていると、太田がこう言った。

「他の生徒たちは顔をくしゃくしゃにして懸命に走っているのに、大谷は本気で走ってるように見えない。流して走ってるように見えるんです。けれども、ダントツに速かった。他の生徒をゴボウ抜きです。あんな走り方は見たことがありませんでしたから。本当にスゴいなぁと。あのときは本当に驚きました」

 大谷はもちろん、流して走っていたわけではない。

 本気で走っているけれども、流して走っているように見えるのだ。それでいてスピードのある大谷の走りは、プロに入ったいまも変わらない。外野手の間を抜く当たりを放って二塁に向かうときなど、はた目には力を抜いて走っているかのように見える。

 しかし、球団関係者に言わせると、 

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