<最終回>「スーパースターの親」になった両親が胸中を吐露《自分たちの暮らしは自分たちで》

公開日: 更新日:
(C)日刊ゲンダイ

「母さん、いつまで働くの?」

 大谷があるとき、母親の加代子(51)にこう言った。

 加代子は大谷が小学校に入ると同時に、水沢市内の飲食店でパートを始めた。週に4~6日、午前中に入って4時間働くときもあれば、8時間の日もある。自宅で家事もこなしたうえで、週末ばかりか平日もグラウンドに足を運び、陰ながら大谷を支えた。

 父親の徹(52)は車のボディーメーカーに勤務。車体を造るラインに携わっている。勤務は昼夜2交代制。いまは昼中心だが、頼まれれば夜も出る。週末は大谷の通った水沢リトルと一関シニアで監督、コーチを務めた。夜勤明けは一睡もせず、グラウンドに出掛けた。

 大谷はそうやって両親が汗をかいたおかげもあって、契約金1億円のプロ野球選手に。年俸はプロ3年目で1億円の大台に乗った。本人にはこれまで両親に苦労をかけてきたという自覚があるからこそ、恩返しがしたい、母親の分くらいは自分が稼ぐという意思表示をしたのだろう。

 両親はその気持ちを受け止めながら、しかし、現時点では大谷に甘えるつもりはないという。

「翔平が頑張ってくれているので、気持ちに余裕があるのは事実です。なにかあったら助けてくれるだろうみたいな。お父さんもずっと昼夜交代勤務だったし、わたしも本当に集中して仕事に入ったりしていましたし。でも……」と加代子がこう続ける。

「子供は翔平だけではありません。お兄ちゃん(龍太=27)、お姉ちゃん(結香=22)は自分で働いたおカネで生活しているし、これからしていくわけです。なのに、わたしたちが翔平におんぶにだっこというのは、お兄ちゃん、お姉ちゃんの目から見たらどうだろうと。やっぱり自分たちの暮らしは自分たちで……」

 徹はこう言った。

「仕事を辞めようと思ったことですか? 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り322文字/全文1,094文字)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  2. 2

    佐々木麟太郎「スタンフォード大残留」ならどうなる? 選択次第では今秋ドラフトで争奪戦へ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「気持ち悪い」…クセバレに加え「直球の脆さ」「勝負弱さ」まで露呈

  4. 4

    ドジャース大谷の登板延期で“割を食う”佐々木朗希…中5日連発に指揮官「デメリットない」の欺瞞

  5. 5

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  1. 6

    中村晃は引退会見で「幼稚」と…長谷川勇也、松田宣浩、和田毅が呈していたソフトB若手への苦言

  2. 7

    日本ハム二軍施設なぜ移転? 鎌ヶ谷から恵庭へ…栗山英樹CBOの要求を呑んだ本当の理由

  3. 8

    ソフトバンク中村晃が現役引退へ…当面の仕事は「幼稚な二軍選手」の根性叩き直し

  4. 9

    巨人・松本剛の完全復調を手助けした“兄貴分コーチ”の名前 ナイター前の午前中に秘かに打ち込み特訓

  5. 10

    ソフトB関係者を“メロつかせた”佐々木麟太郎の褒め殺し…「ウチで決まりと思っちゃう」のノロケ声も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  2. 2

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  3. 3

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  4. 4

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 5

    “キムタク効果”見込んだ吉野家の戦略は残念な結果に…ファンの間に沸き起こる「藤田ニコル復帰待望論」

  1. 6

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  2. 7

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  3. 8

    「夫婦別姓刑事」とフジテレビの時代錯誤…“看板に偽りあり”のタイトルと「超・年の差婚」設定への嫌悪感

  4. 9

    萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

  5. 10

    維新また猿芝居…国会空転トップ会談で定数削減法案に“白旗”も「今時点で取り下げない」と強がるワケ