渡辺勘郎ノンフィクションライター
５９年８月、東京都墨田区生まれ。中大法学部卒業後、週刊文春編集部を経て独立。フリージャーナリストとして、野球を中心に著書多数。
もう１場所待って欲しかった新大関誕生
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「俺は、勝ち負けではなく、相撲内容を見てる。自分の相撲になっているか、いないか？ そればかり見てる。
照ノ富士は“攻め”があまりないんだよ。“受け”が多過ぎる。若いんだし、あれだけの体があるんだから、まずあの体を相手にぶつけた方がいい。張り差しじゃなく、思い切り当たってね。あの体があるんだから細かいことやらなくても勝てるよ。
張り差しにいくのは、自信がないから？ と私には感じられる。本当に自信があったら張り差しなんてしないよ。
あと、照ノ富士の相撲はまだ粗い。無理やり相手を振り回すでしょ？ １番、２番くらいならいいけど、半分くらい振り回してる。あれは相撲の形から離れてるよ。美しくないし、ああいう相撲を取ってたら昇進してから苦労する。今の横綱、大関陣がそう。“形”がないから苦労してる」
期待できる素材だからこその照ノ富士への苦言。明日は、新大関を生んだ背景として、所属部屋の“勢い”について聞く。（つづく）
取材・構成＝ノンフィクションライター・渡辺勘郎
