黄金時代を彷彿 ヤクルトは「高卒野手」上位指名でまたも成功

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■二軍でじっくり経験を積ませる

「育成」においては我慢強さが際立つ。

 山田がプロ4年目の昨季にブレークしたのは早かったが、畠山は規定打席に到達するまで8年、川端も故障もあって6年、雄平にいたってはプロ8年目の10年から打者に転向し12年を要した。中村も入団3年間は二軍で研鑽を積み、プロ7年目の今季、正捕手の座を掴んだ。前出OBが言う。

ヤクルトは才能があると見込んだ選手を入団当初から、二軍でじっくり経験を積ませ、簡単にクビにはしない。その象徴が畠山と雄平だろう。2人は打撃に光るものがあったが、特に守備面に課題があった。セは指名打者がなく、守備が悪ければレギュラーにはなれない。畠山は当時の小川二軍監督(現SD)が『守備、走塁は一軍になかなか推薦できる状態ではなかった。いかに一軍で商品価値を認めてもらえるかを考えていた』と言っているし、雄平についても当時の真中二軍監督(現一軍監督)が、二軍で打撃の結果を残しながらも『打者転向が(プロ8年目と)遅く、守備で致命的なミスをすればいよいよ失格の烙印を押される』と一定の守備力を身につけてから一軍に推薦している。二軍の指導者が一軍昇格のタイミングをしっかり見計らっていることも大きい」

 今後、ヤクルトの手法をマネる球団が出てくるかもしれない。

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