高橋由に「原野球の継承」を押しつける巨人に権藤博氏が苦言

公開日: 更新日:

コラム【権藤博の流儀】

 巨人が来季の監督として高橋由伸(40)に白羽の矢を立てた。

 理由はいろいろとあるのだろうが、球団幹部が盛んに強調しているのは「原野球を継承してくれること」である。

 確かに、退任の決まった原監督(57)が残した功績は、これはもう素晴らしいの一言に尽きる。

 計12年の監督生活でリーグ優勝7度、日本一が3度。Bクラスが1度だけという成績は、過去の大監督と比べても決して見劣りせず、「名将」と呼ぶにふさわしい。

 巨人は常に豊富な戦力を誇る球団。勝って当たり前、という声があったのは否定しないが、原監督にはその分、他球団の監督にはないプレッシャーがかかった。それをはねのけて結果を出すのは想像以上に大変なこと。そういう巨人で勝ち続けたことはむしろ、原監督の能力の高さを裏付けるものだと思う。

 打順をコロコロと変えるような、選手のプライドをないがしろにしているようにも映ったここ数年のやり方には、私も何度か苦言を呈した。下位打線を打たされる阿部や村田の心中をおもんぱかったのだが、普通ならチームが内部から崩壊しかねない起用でも、選手個々には不満こそあれ、それが大きな亀裂となって表面化はしなかった。原監督の人間性がなせる業だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋