真中監督の手腕評価の権藤氏 「自主性」野球の“落とし穴”忠告

公開日: 更新日:

コラム【権藤博の流儀】

 17年前の新聞を読んでいるのかと錯覚した。

 10月2日にヤクルトがリーグ優勝を果たした翌日。新聞各紙には、就任1年目でチームを14年ぶりの栄光に導いた真中満監督(44)の手腕を礼賛する記事が並んだ。

 キャンプでは恒例だった夜の素振りを廃止し、コーチによる居残り練習の強制も禁止して、自主練習の時間は選手自身に決めさせた。シーズンに入ると監督はほとんどミーティングに顔を出さずに、各選手への指導はコーチに一任。自身は選手が力を発揮できる環境をつくることに腐心し、移動日ゲームの日には試合前のフリー打撃を希望者のみとして、シートノックも行わないなど、従来の慣例に縛られない大胆な手法も取った。

 各紙が紹介したエピソードに差はあれど、共通していたのは選手の「自主性」を尊重した真中流操縦法。これがペナントレース制覇の最大の要因との見方だった。

 98年のこの時期、私も同じようにスポットライトを浴びた。横浜ベイスターズ監督として、38年ぶりのリーグ優勝という歓喜を味わわせてもらった。翌日の新聞には、今回とほぼ変わらぬエピソードが取り上げられ、同様に「自主性」の文字が記事に躍った。持ち上げすぎだよ、と面はゆくはあったものの、私のやり方を記者の方々も認めてくれたのかな、と気分は悪くなかった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  5. 5

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  1. 6

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 7

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  3. 8

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」