著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

円熟26歳の錦織圭にチャンの「努力の哲学」は必要なのか

公開日: 更新日:

 今年の全豪オープンの準々決勝、やはりジョコビッチに敗れた錦織は、なかなか記者会見に現れなかった。マッサージで遅れることはあるが、チャンの反省会が30分も続いたという。

「いつも、あれこれ怒られます。怒る理由も分かりますが」

 本来は開放的な男が、怒ってばかりで笑わないコーチのもと、はつらつとしたプレーが見られなくなった。

 マイケル・チャンは、ピート・サンプラス、アンドレ・アガシらの米国黄金時代に活躍した選手だ。ボリス・ベッカーがジョコビッチのコーチに就任し、ステファン・エドバーグがロジャー・フェデラーに、イワン・レンドルがアンディ・マレーに就いて〈レジェンドコーチ〉と呼ばれ、チャンもそのひとりに数えられる。だが、チャンのメジャー制覇は17歳だった89年の全仏だけで、実績では他のコーチとは比べものにならない。

 175センチという小柄な体格にムチ打った努力の哲学が、体力強化に貢献しても、多彩な才能を引き出せるかどうかは別だ。精神力も技術力も十分の選手に、試合後の説教がどれだけ必要だろうか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑