日馬富士が「待った」のタップ…結びの一番で起きた珍事

公開日: 更新日:

 ファンも報道陣も、何より当事者たちが最も困惑していた。

 3日目の結びの一番で、波乱とは呼びにくい、不可思議な現象が起きた。向かい合うのは横綱日馬富士と、平幕の琴奨菊。「はっけよい……残った!」の合図とともに一人横綱が仕掛けた――と、思いきや、なぜか日馬富士は組んだ直後に「待った、待った」と言わんばかりに琴奨菊の肩をタップしたのだ。

 ところが、行司は止めず、審判も動かず。日馬富士は力なく寄り切られ、今場所初黒星。勝負が決まった後も不満げに右手を挙げて「待った」をアピールする横綱に、観客も困惑することしきりだった。

 日馬富士にすれば、呼吸が合わず、自分が「つっかけてしまった」と思い込み、立ち合い不成立になると判断したのだろう。しかし、ちょうどそのタイミングで琴奨菊も立ち上がったものだから行司も立ち合いを成立させてしまった。

 確かに琴奨菊は手つきが遅く、実際、ほとんど手をつかずに立ち上がった。日馬富士も勝手な思い込みで力を抜いたのは、油断以外の何物でもない。ちなみに長らく大関を張っていた琴奨菊にとって、これが自身初金星。もっとも、こんな形じゃ素直に喜べないだろうけど。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず