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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

各校の力が均一化 箱根駅伝“打倒青学”の意外なカギ

公開日: 更新日:

■「ひとりで考えてやるから強い」

 各校の力が均一化してきた昨今、復路での逆転は難しく、往路の展開がカギを握る。青学の3連覇は、5区の神野大地、2区の一色恭志という往路の核の存在が基点となっていたが、今年は核が不在。原監督も「調和」を強調せざるを得ない。

 その点で2区に鉄板エースの鈴木健吾を持つ神大が怖い。昨年の1区・山藤篤司↓鈴木のタスキはさらに太くなり、駒大の片西景↓工藤有生、東洋大の相沢晃↓山本修二にも実績はある。順大の2区に五輪代表の塩尻和也、そこまでなら山学大にも最強留学生のD・ニャイロだっている。

 見どころは1、2区での位置取り。ただ、どこも継走の先々に不安をはらんだチームばかりで、その混濁をかき回す爆弾ランナーが東大生だ。

 関東学連選抜の近藤秀一は、ただの東大生ではない。予選会(20キロ)の記録は59分54秒で完走584人中20位、留学生を除けば10番目。1万メートルでコンスタントに29分10秒台の選手が1区を志願したのは、今年の混濁状況を承知の上で、何かやる魂胆が見える。

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