著者のコラム一覧
宮崎紘一ゴルフジャーナリスト

飛距離コンプレックスの日本人のプロは海外で通用しない

公開日: 更新日:

 実は成績と飛距離が反比例しているデータ(6月24日現在)がある。ジョンソンのフェアウエーキープ率は58.08%(150位)。WR2位のJ・トーマスも57.65%の153位とアベレージクラスなのだ。ところが平均ストロークとなるとジョンソンは68.602(1位)、トーマスは69.358(4位)。また平均パットではジョンソンは1.690(2位)で、トーマスは1.717(6位)とグリーン上で圧倒的な強みを見せる。

 これはどういうことかというと、ドライバーでフェアウエーを外しても精度の高いアイアンショットでグリーンをとらえ、絶妙なアプローチショットやパットでピンチを切り抜けて、またチャンスは確実にものにする技術が高いということになる。

 日本アマ6回の優勝を誇り、不世出のアマチュアと言われた故・中部銀次郎氏はかつてマスターズのテレビ解説でオーガスタナショナルゴルフクラブをラウンドし、「(日本では)ゴルフの感覚と脳と心のバランスを取っていれば思い通りのゴルフができた。でもメジャーでは見たこともない強いアンジュレーションのグリーン、巨大なバンカー、波頭が打ち寄せるようなフェアウエーが選手を圧倒して、(日本で通用する)3つのバランスが崩れる。欧米のコースは五感をフル稼働させる必要がある。日本選手が外国で勝てない理由が分かった気がする」と、メジャーで戦う本質を見抜いている。

 日本では普段から、イージーなコースでイージーなゴルフをしているから、ボールが飛べば勝てるという発想が出てくる。しかしそんな“ドライバー飛距離崇拝”ゴルフでは、これから先100年たっても日本人選手は海外メジャーに勝てないことを早く気付くべきだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン